悪い噛み合わせによって起こる顎関節症

投稿日:2018年8月9日

カテゴリ:噛み合わせ

口を開けたり閉じたりする際は上顎は動かず下顎が筋肉によって動かされますが、その下顎の支点となる関節は耳の前あたりにあります(顎関節)。 ここの関節に異常が生じている状態を 顎関節症と呼びます。

顎関節は数ある体の関節の中でも特殊な形態・機能をしており、指2本分以上口を開けようとすると関節の中から下顎の骨が左右同時に飛び出す構造になっています。これにより口を大きく(指3本以上)開ける事が出来ます。 

これは肩などの他の関節で考えると、左右同時に脱臼している事と同じです。

そのような、複雑で特殊な関節であるがために骨の間の軟骨(関節円板)が すり減ったり、位置異常を起こしたりします。

顎関節症と噛み合わせの関連に関しては、一部の矯正歯科学会では関連はないとも言われていますが、噛み合わせを治すと多くの場合で顎関節症の症状が良くなりますし、噛み合わせが良くない方に顎関節症が多い事から、おおいに関連していると考えられます。

以下のような研究報告があります。

 

不正咬合による顎関節症の発現率

・2級不正咬合(下顎後退)   32.6%  

・過蓋咬合            34.9%

・前歯部反対咬合         36.4%

・臼歯部反対咬合             66.7%

・叢生                40.0%

・開咬              60.0%

・下顎側方変位                  73.7%

                                            Fushima K,Sato S(1989)  

 

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